中小企業診断士 中島誠
スーパーに並ぶ商品の種類が減ってるのをご存知でしょうか。2/14付けの日経電子版によれば、日経POSデータにおいて2020年に食品・日用品の7割の品目で商品数が減少したとのことです。
商品数が減少した原因をその記事では、新型コロナウイルス感染を警戒して、事前に決めたものを短時間で買って帰る傾向が広がり、定番商品が強さを発揮したのではないかと推測しています。実際にスーパーの滞在時間はかなり減っているようです。
コロナ禍になる前も定番商品は大事だったものの、どちらかと言えば新しい商品を重要視する傾向があったと考えています。目新しい商品で顧客の注目を引き、一品でも多くの購買につなげることが販売戦略の中心になっていました。
上記のような顧客の行動変化により、小売業は品揃えの見直し、食品製造業は商品毎の製造量の見直しをする必要が出てきました。小売業は、定番商品をこれまで以上にフェイスを増やしたり、目立つ場所に置いたりすることが必要になります。また、品切れをしないように発注数量を増やすことも忘れてはいけません。食品製造業は、新商品開発より定番商品の改良やリニューアルに力を入れ、定番商品の製造量を増やすべきです。
また、小売業・食品製造業のどちらにも必要なのが、その定番商品を使った料理のアレンジやその商品の新たな利用方法を顧客に提案することです。商品自体は変わらないがこれまでとは違う提案ができれば、コロナ禍が終息してもその商品を継続して買って頂ける可能性は高まります。
今回お伝えしたようなコロナ禍による変化は他にもたくさんあるはずです。日頃から変化に注意を払うこと、その変化を商売のチャンスとして活かすことが大事です。まだコロナ禍の終息は見えない状況ですが、小さなことでも継続すれば大きな効果をもたらすことは可能です。
以上