中小企業診断士 大高 努
多くの中小企業で人材不足が深刻になっており、新卒、中途問わず採用が厳しい状況となっています。目の前に仕事はあるのに、適切な人材を採用できないばかりに、仕事を断らざるをえないという企業もあります。
こうした状況の中、採用活動でのホームページの重要性が増しています。なぜなら、採用していることを知った応募者は、まずホームページでその会社の情報を知ろうとするからです。この段階で「何も情報がない!」「この会社は大丈夫なのか?」と不安・失望を感じさせてしまったり、魅力的が感じられなかったりすれば、応募者の選択肢から外れてしまいます。
しかし、上手に魅力を伝えることができれば、印象はだいぶ変わってきます。そこで今回は、「採用活動を支えるホームページづくりのポイント」をお伝えします。
1.採用したい人を明確にしましょう!
仕事内容、福利厚生、選考基準を考える前に、どのような人を採用したいのかを明確にしましょう。
採用サイトやページを作ると、とにかく多くの人から応募してもらうことが目的になりがちですが、企業が求める人材と応募者がミスマッチした状態で採用まで進み、その後にあっけなく退職に至ってしまってはお互いにとって不幸ですし、トータルの採用コストは高くなってしまいます。
そうしたことにならないためにも、まずは入り口の部分で「こういう人に入社してほしい」「こういう人なら続けられる」という人物像を明確にしておきましょう。
2.経営理念を掲載しましょう!
「当社はこれだけ社員を大事にした制度があります」「こんなに楽しい職場です」というアピールも大切ですが、それ以上に大切なのは、どういう想いで仕事をしているかということです。
中小企業は大企業のように給与、福利厚生など手厚くできない場合が多いのが実情です。そういった条件面で大企業と戦っても仕方ありません。
しかし一方で、人数が少ないからこそ、社長の想いは伝わりやすいという中小企業のメリットもあります。
現在、一緒に働いている社員の方々は社長のそうした熱い想いに共感し、「俺も(私も)一緒に働きたい」といって、会社に入られたのではないでしょうか?
採用サイトの中でも、そうした想いを言葉にし、メッセージとして発信しましょう。
経営理念として既に言語化できているのであれば、少し解説を加えながら掲載してあげましょう。明文化できていないのであれば、社長メッセージという形で、仕事に対する想いを語ってあげましょう。
3.社員の姿をみせてあげましょう!
御社の仕事内容や社長の想いに共感した応募者は、次の段階として、現在、どのような人が働いているのか、その人達は何を目指し、どんな仕事をしているのか、何に働きがいを感じているのかに興味を持つはずです。
動画などにしているケースもありますが、シンプルな写真とテキストでも構いませんので、社員インタビューの形で掲載してあげましょう。
4.集客方法を考えましょう!
採用サイトの内容が良くても、まずは採用していることを知ってもらわないことには応募者は増えません。オンライン、オフライン含め、採用していることを知ってもうら方法もセットで考えておきましょう。
オンライン集客施策例…各種オンライン媒体/検索エンジン/SNS etc
オフライン(リアル)集客施策例…ハローワーク/各種求人媒体/フリーペーパー/合同会社説明会 etc
まとめ
採用したい人物像を決め、仕事に対する情熱を語り、応募者が望んでいるあろう情報を出してあげる。最近は情報収集においてWebという手段が主流になりつつありますが、やっていることはオンラインであろうがオフラインであろうが同じです。
特に中小企業の戦略としては、『社長が仕事に対する情熱を語る』ということが重要だと思います。ぜひ実践してみてください。
以上