中小企業診断士 妹川聡
計画なくして成功なし
江戸後期の偉人である吉田松陰の有名な言葉に「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」があります。一般的には「成功するためには夢が必要である」が主旨ですが、「計画を実行して成功する」ということもなかなか容易なものではありません。私自身、計画倒れになって泣いた経験はよくありました。
PDCAサイクルは計画を成功に導く
PDCAサイクルという言葉は聞いたことがある人も多いことでしょう。PDCAサイクルとは、計画の実行をマネジメントする方法の代表的なもので、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の4つの段階から構成されます。もうお分かりだと思いますが、PDCAサイクルは、先ほど述べた「計画を実行して成功する」を実現するための方法です。
PDCAサイクルを回すポイント
PDCAを回すポイントは、特に計画と評価にあります。
計画段階でのポイントは、「目標」と「行動」を具体的にすることです。計画で達成したい目標は何かを具体的に、できれば数値で表現してみると良いでしょう。例えば売上を20%アップする、生産性を2倍にする、などです。また、目標を達成するための行動も具体的にします。誰が、いつまでに、何を、どのように行うのか。ここまで具体的にしていれば、実行段階でも比較的容易に取組めますが、実は「目標」と「行動」を明確にすることは、評価段階でその効果をより発揮することになります。
評価段階でのポイントは、実行結果を「目標」と「行動」で評価することです。評価は「目標達成」「目標未達成」と「行動達成」「行動未達成」の組み合わせの4通りになります。
「行動達成」で「目標達成」ならば、問題はありません。計画は成功しているはずです。
「行動達成」で「目標が未達成」という場合もあります。これは計画段階に立てた「行動」が適切ではなかった可能性があるので、行動の改善が必要となります。
「行動未達成」で「目標達成」という場合もあります。一見問題はありませんが、想定されていなかった目標達成要因を分析しておいた方が、今後のために良いでしょう。
「行動未達成」「目標未達成」の場合、「行動」達成を阻害した要因を分析して除去する必要があります。改善段階で、阻害除去の行動を追加します。
評価まで考えた計画を
PDCAサイクルは各段階が連動した流れであることはご理解いただけたと思います。計画を成功に結び付けるコツは、つまり実行、評価まで意識した計画を立案すること、と言えます。もっと具体的なことが知りたい、事業計画の立案に悩んでいる、といった事業者様、ぜひ我々専門家の活用もご検討ください。
以上