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ブランドについて考えてみる

中小企業診断士 妹川聡

 

ある日の午後、予定していた用事がキャンセルになり、駅近くのカフェで時間を過ごすことになりました。さて、みなさんは、どこのカフェが頭に浮かびましたか?

おしゃれなスターバックスですか?

ゆっくりできるコメダコーヒーもいいですね?

ビジネスマンだったらやっぱりルノアールとかでしょうか?

 

ブランドというと、何だか高級そうな商品とかをイメージしてしまいがちです。

確かに、ブランド品なんていう言葉もありますね。

でも、実はブランドの本質は別のところにあります。

 

ブランドとは、ある企業やお店に対して人々が思い浮かべる特定のイメージであると定義できます。「○○だったら××」といった感じです。先ほど述べたカフェもその一例です。

 

ブランドを作り上げると、多くのメリットが期待できます。

 

顧客は自社(自店)を真っ先に思い浮かべ、選んでくれるようになるでしょう。

さらに、ファンになってくれたり、他の顧客に紹介してくれることも期待できます。

顧客を拡大するために、積極的にブランドを築く活動を行うことが重要です。

 

どのようにしてブランドを作りあげるのか。

 

まず、自身のブランドを明確にする必要があります。先ほど述べた「○○だったら」を考えます。

顧客は誰で、なぜ自社(自店)を選んでくれるのかを考えることがヒントになります。

 

ブランドには「○○であり、△△であり、□□で・・」といろいろ盛り込みたいところでありますが、情報が溢れている現在、顧客はそれほどには覚えてはくれません。なるべく削ぎ落とし、シンプルにした方が良いでしょう。

 

ブランドを明確にしたら、それを維持する活動を行います。具体的には、商品や店舗などでブランドを見える形にする、ウェブサイトやSNSでブランドに沿った情報を発信するなどです。

 

しかし、最も大切なことは、社長をはじめ全社員がブランドを価値の基準として振舞うことです。

 

例えば「お客様の声にしっかり耳を傾ける」ことをブランドとしたならば、お客様と接する部門は徹底的にコミュニケーションを図る必要があります。例えクレームであってもです。そして、お客様の声に応える製品やサービスを提供することを第一に考えた事業活動を行います。このような維持活動を通じて、ブランドは次第に顧客に認知され、信頼を得ることができます。

 

ブランドは視点を変えると「顧客との約束」とも言えます。もし、ブランドを損なうような行動を取れば、それは顧客との約束を破り、信頼を失うことになります。しっかりと心に刻み込んでおきたいものです。

以上