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自社の商品・サービスの「値上げ」について考える

中小企業診断士 中島 誠 

 

近頃、スーパーやコンビニに行った際に、「値上がりしたなぁ」と感じることが多くなっていませんか。

私は買い物に行った際には必ず価格をチェックするのですが、食料品だけではなく日用雑貨や衣料品も値上がりしたと感じることが多くなりました。

 

「4月の消費者物価指数(生鮮食品除く)」(5月19日総務省)によると、前年同月比3.4%上昇したとあり、すでに1年以上物価の上昇が続いています。当面物価上昇は続く可能性は高く、消費者の立場から考えると、嘆かわしい状況です。

 

ただし、立場を変えて事業者側から考えると、「値上げ」はせざるを得ない状況にあり、ご自身の商品やサービスの値上げをしたいと考えている事業者は多いと思われます。価格の決定は、お客様・自社・競合の3つのバランスで決めるのが良いといえます。具体的にはお客様が求めている価格、自社で出せる価格、競合の価格から実際の価格を決めていくのが理想だといえます。

 

お客様が求めている価格は「少しでも安い方が良い」、自社で出せる価格は原材料高・水道光熱費や人件費の高騰により「少しでも高くしたい」、競合の価格は「上がりつつある」ではないでしょうか。

 

そのため、お客様が求めている価格や競合の価格より大幅に高い価格を設定すれば、お客様が離れることは否めません。ただし、価格を上げなかったことで赤字になったり、無茶な営業で従業員やご自身の身体を壊してしまっては元も子もありません。

 

それではどのように価格を上げていけばよいでしょうか。ヒントとして2つ例を上げてみます。「高くなった」と少しでも思われないようにすることが大事です。

 

価格を上げる際には商品・サービスのリニューアルも合わせて行う。

まったく同じ商品・サービスを単純に値上げするのではなく、使う材料を変えたり、新たなサービスを加えたりするタイミングに合わせて、コスト増以上の「値上げ」をしていきます。

 

すべての商品・サービスを一律に上げることは避ける。

メイン商品・サービスの価格は据え置き、それ以外のサブ商品・サービスから値上げをしていきます。

例えばコーヒーショップであれば、コーヒーの価格は据え置き、デザートの価格を上げるなどです。

 

ここまで価格を上げるテクニック的なことをお伝えしましたが、昨今の状況を考えれば多くのお客様が「値上げ」に対してある程度寛容であるようにも感じます。正直に値上げの理由・値上げ時期を示して

お客様に理解してもらう方法もあります。それぞれの状況に合わせて「値上げ」について考えてみてください。

 

以上