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絶対に活用を検討したい方が良い補助金 IT導入補助金2023

中小企業診断士 金綱 潤

御縁あって、10年間中小企業庁さんの委託事業として年間、約9,000社の事業者さんのご相談をコーディネートする仕事に携わっています。経営面の相談相手として無料で何度でも利用出来る施策になっています。これは国が税金を活用して相談対応事業を支援しているからです。年々の相談に来られる事業者さんの数も増え、業種・業態も経営ステージ(創業前、創業、事業成長、事業成熟、M&A、事業承継、事業転換等)も多岐に渡る中、私も多くの気づき頂きました。

 

今回は、絶対に活用を検討したい方が良い補助金として「IT導入補助金2023」についてコメントしたいと思います。そもそも補助金制度は、申請しても給付金制度と違い、先にお金が貰えるものではありません。各々の補助金の公募要領に従い、事業計画を申請し、審査を受け、合格(採択と言います。)を受けた事業者が自前で事業遂行に必要な資金を全額捻出調達し、実際に事業に着手し補助金対象事業を遂行した後、その執行内容を報告した後、補助金事務局の審査を受け、該当する部分について後から、事業者さんへ補助率分を基準に還付される仕組みです。

 

ですので、「お金が残る」わけではなく、設備投資や広告投資等の「効果」が残る訳で、その効果が企業にとっての経営課題と関係ないと却って逆効果になることも考えられます。それ故、私の場合は申請する事の是非、可否について事業者さんと対話と傾聴を行った上、ご支援方針を決めています。それにもかかわらず、敢えて「絶対に・・」と書かせていただいたのは、この補助金の公募趣旨が、殆どの小企業、中小企業の方々の抱える経営課題に合致すると考えるからです。それは、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けたITツール(ソフトウェア、アプリ、サービス等)の導入を支援するものだからです。殆どの企業が業務効率化やDX推進に関しては、一つの経営課題解決が次なる課題解決ニーズを産み出すと考えるからです。

 

1:この補助金の3つの特徴

1) 申請しやすい

 申請に際してはIT導入支援事業者と事業者が共同申請する形になります。

IT導入支援事業者とはITベンダーサービス事業者のことです。

貴社の経営課題を探すことが難しい方は「みらデジ」と言うWebサイトから検討することも可能です。https://check.miradigi.go.jp/s/diagnosis

2) 様々な投資ニーズに対応している

 投資に回せる金額の多寡×投資目的に合わせて、複数の申請枠が設けられています。

同じ枠でも類型や投資対象に即して補助率が異なることもあるのでご留意下さい。

3) 事業進捗のサポートが受けられる

前述したIT導入支援事業者さんの具体的なITツール選定の相談や補助事業推進のサポートが受けられますので、事業遂行の負担が少ないです。

 

2:この補助金を活用するために意識頂きたい3つのこと 

一つ目は自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか

自社の状況や課題分析及び将来計画に対し、改善すべきプロセスが、導入する「ITツール」の機能により期待される導入効果とマッチしているか?が問われます。

 

二つ目は計画目標値の設定です。労働生産性向上率の基準が数字で決められていますので、その基準をクリアすることが採択条件になります。

 

三つめ目は国の政策上の課題解決に資する企業は有利になる事があることです。

事業継続力強化や地域経済牽引計画を策定して認定を受けている企業等には、政策面からの評価として加点が与えられることになっています。

 

この3つのポイントについては、詳細なコンサルテーションが必要になる事もあるのでTASKSまでお気軽にご相談下さい。皆様の事業の成長心お祈りします。

ご一読有難うございます。

以上