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自社らしさのあるランディングページで広告効果を上げる

中小企業診断士 大高 努

最近はインターネットで販売するために無料のツール等が充実してきて、中小企業でもインターネットで販売する企業が増えてきました。ただし、ECショップを構えたからといって、お客様が来てくれるわけではなく、集客をしなければいけません。集客にも様々な手法がありますが、検索エンジンから誘導するリスティング広告は有効な手段のひとつでしょう。

 

しかし、リスティング広告を始めただけでは、そのまま購入につながらないケースもあります。つまり、商品・サービスを購入してもらう前に「興味・関心を持ってもらう」というステップを踏まなければならないのですが、そのステップが抜け落ちているのです。

 

そのために一般的にはランディングページ(※1)と呼ばれる、縦長のページを用意し、商品・サービスの魅力を伝え、商品の購入ページ等に誘導するのです。つまり、リスティング広告を始めるのであれば、ランディングページも一緒に用意する必要があります。

 

(※1)本来の意味でのランディングページは、ランディング(着地する)ページという意味なので、Googleアナリティクスでいうランディングページは、最初の訪問されたページ=ランディングページという意味になります。

 

リスティング広告の開始・運用は少し専門的のため、広告代理店等外部に任せてしまうという手も考えられますが、広告とセットだからといって、ランディングページの内容も丸投げしてしまうのはよくありません。なぜなら、商品・サービスについて一番よく知っているのは広告代理店ではなく御社だからです。

 

もちろん、デザイン、読みやすくする工夫等はプロに任せてしまったほうがいいですが、マーケティング的な方向性や商品・サービスの強み等は自社で考えなければなりません。ここでは、どういったポイントを検討すればよいか等「ランディングページを作る上でのポイント」をお伝えします。

 

1. ターゲットユーザーを絞りましょう

インターネットで販売できる=マーケットが大きくなると考えがちですが、インターネット上には多くの競合商品・サービスが存在します。その中で、顧客の目に留まり、選んでもらわなければなりません。商品・サービスによっては競合が認知度の高い大手企業の場合があるかもしれません。その中で戦っていくためには、ターゲットを絞り込んでいく必要があります。ターゲットを絞ると顧客がいなくなると不安になりますが、まずは絞ってみて、そこから広げていきましょう。ターゲットを絞るコツは既存のお客様がどういったお客様なのかをよく観察することです。

 

2. 顧客の問題を知る

何らかのキーワードで検索して、ランディングページに到達するということは検索した人は何かの問題を解決したいと考えているはずです。まずはその問題を知ることが大切です。そして、その問題に対して、自社の商品・サービスを使うと、どのような将来になるのかを示してあげることが重要です。

 

3. なぜ自社の商品・サービスなら解決できるかを示す

ここが一番重要なポイントで、多くのランディングページで抜け落ちがちです。ターゲットユーザーを明確にし、そのターゲットユーザーが抱える問題も明確にしました。そして、問題の解決策として、自社が持つ商品・サービス群であるなら解決できます、というところまでは書いてあっても、なぜ、自社商品・サービスでないといけないのか?というところまでは言及していないケースが多いのです。

 

例えば、ダイエットしたい中年男性向けの○○茶を販売しているとして、○○茶の重要性は伝えるものの、自社商品・サービスの強みを訴求できていない。それではせっかく興味を持ってもらっても、より安い他社商品に流れてしまいます。強みは商品そのものでなくても付属するサービスでも構いません。この強みをしっかり把握し、訴求していきましょう。

 

4. キャッチコピーは大事

ページの最上部にはキャッチコピーを入れましょう。キャッチコピーでは、ターゲットユーザーが商品・サービスを手に入れることによって、どのようになれるのかを端的に表現します。インターネットで情報を探しているユーザーの多くは、斜め読みしかしていないので、「このメッセージは自分に対してだ!」と感じてもらい、ページの下に読み進めてもらう必要があります。キャッチコピーで上手に表現するためにはテクニックもあり、最終的にはプロに仕上げてもらっても構いませんが、どういう要素を盛り込むかはご自身で押さえておくようにしましょう。

 

まとめ

リスティング広告とランディングページはセットです。そして、ランディングページで訴求する内容は事業者自らが決めるようにしましょう。ターゲットユーザーは誰で、どのような悩みに対して、自社商品・サービスがどう解決できるかを考えてみてください。そうすることにより、どこかで見たことのあるような内容の薄いランディングページではなく、自社らしさのあるランディングページとなり、広告効果が高まることも期待できるでしょう。

 

以上