中小企業診断士 大山 昇
突然ですがクイズです。
父親と一人息子が連れだってドライブに出かけました。
ところがその途中で、電柱に衝突する大きな交通事故を起こしてしまいました。
残念ながら父親は即死で、助手席の息子は意識不明の重体になり、救急車で病院に運ばれました。
病院につくと、幸いなことに天才外科医との呼び声の高い、
その病院の院長が直々に手術をすることになったのですが
手術室に入り手術台に寝かされた子どもを見ると、院長は、
「これは私の息子です!」
と、叫びました。
さて、これはいったいどういうことなのでしょうか?
正解は↓
院長先生は子どもの「母親」だった、です。
言われてみれば、「なーんだ」と拍子抜けされるかもしれませんが、結構難問だったのではないでしょうか?
実際、筆者がセミナーでこのクイズを出した際に正解にたどり着かれる方は10%もいらっしゃらないと思います。
この問題を難しくしているのは、「天才外科医」や「病院の院長」が「男性」であるという思い込みにあります。
この思い込みから抜けられないと祖父が登場してきたり、実の父親ではなく養父が登場してきたりとトリッキーな回答で何とかしようとしてしまいます。(分からなかった方、そうではありませんでしたか?)
このように人間の思考にはクセがあり、先入観にとらわれているものです。筆者はそれを思考の枠、「思枠(おもわく)」と呼んでいます。
それ自体は避けられるものではないですし、そうした先入観のおかげで素早い判断ができて役に立った、なんてことだってあるでしょう。
ただ、この「思枠」に自覚的である必要はあります。
新事業を考えたり、新商品を考えたりとゼロベースで発想を拡げ必要がある状況で「思枠」にとらわれていては面白い事業や商品は出てきません。必要な時にこの「思枠」が取り払えるよう、日ごろから「本当かな?」「逆にしてみたらどうなるかな?」などと考えながら過ごすと頭の柔軟体操になって、いざというときに発想が広がりやすくなると思います。
発想法にはいろいろなフレームワークもありますがそれはまた別の機会にご紹介したいと思います。
以上